この地球外生物のような外観。ぬるっとした手触り。

これを一番最初に「食べよう」と思った人、すごいです。

この魚は、富山湾では割とメジャーな魚【げんげ】といいます。深海魚特有の顔つき、傷みやすさ、ぬるっとした感触、昔は「下(げ)の下(げ)」と言われていたから、「げんげ」という名前が付いたというのは有名なお話し。私が子供のころは、祖母がよくお味噌汁の具として、げんげを食べさせてくれました。

でも、冷蔵技術が発達し、調理の幅も広がった現在、ゼラチン状の身は天ぷらやから揚げにすると、臭みもなく、ふわふわの食感に。コラーゲンを多く含むことから、「幻の魚」と書いて、【げんげ】と呼ばれるようになりました。

また、内臓を抜いて干し、ちょっと炙って食べると酒の肴としてとっても美味です。内臓を抜いて、腹側の黒っぽい部分を綺麗にこそげおとす作業は、仕上がりをよくするために必須の作業。冷水を大量に使って行います。

ここから、干す作業に移るわけですが、カネツルでは「漁師のおやつ げんげ塩バジル」という商品に仕上げるため、バジルをふりかけます。

こうすることで、干しあがったとき、げんげ特有の臭いも気にならなくなります。

げんげは、からだの大部分が水分で構成されているため、干すとこんな感じで、あちら側が透けて見えるほど。ここまで乾燥度合いを上げると、炙らなくても、スナック感覚でそのまま食べることが出来ます。

こうして、「漁師のおやつ げんげ塩バジル」が完成します。塩分も控えめで、バジルの風味が効いているので、お子様や女性の方にも人気の商品です。

獲れたての生げんげからは想像つかないほど、食べやすい食感・味に仕上がっています。